反応が取れる見出しの作り方。チラシもLINEも、9割は“最初の一行”で決まる
結論から、いきます。 チラシもLINEもホームページも、読まれるかどうかの9割は「最初の一行」=見出しで決まります。本文を頑張る前に、見出しを直す。これが、お金をかけずに反応を上げる最短ルートです。
お客さんは、本文を「読まない」
まず、痛い事実から。あなたが何時間もかけて書いたチラシの本文——お客さんは、ほぼ読んでいません。
ポストのチラシを思い出してください。1枚あたり見る時間は、体感で0.5秒。その一瞬で「自分に関係あるか」を判定して、関係なければゴミ箱行きです。LINEもSNSも同じ。スクロールの指が止まるかどうかは、最初に目に入る一行がすべて。
つまり、見出しの仕事はひとつだけ。「え、自分のことだ」と思わせて、指と目を止めることです。
ダメな見出しの共通点:「自分の話」から始めている
よくある見出しを見てみましょう。
- 「創業30年の確かな技術」
- 「新メニューはじめました」
- 「〇〇店、リニューアルオープン!」
ぜんぶ、発信側の話なんです。お客さんの頭の中には「で、私に何の関係が?」しか浮かびません。厳しいようですが、お客さんはあなたの会社に興味があるんじゃない。自分の悩みと得に興味がある。だから見出しは、相手の悩みか得から始めます。(この「正論やスペックでは人は動かない」話はなぜ商品は「正論」だけでは売れないのかでも書きました。)
すぐ使える「見出しの型」4つ
型①:相手を名指しする
「毎月の請求書づくりに2日かかっている社長へ」 「週末の予約が埋まらない美容室オーナーの方へ」
「〇〇な人へ」と呼びかけると、当てはまる人は無視できなくなります。ポイントは絞ること。「みなさまへ」は誰にも刺さりません。
型②:数字を入れる
「客単価を上げる4つの型」 「エクセルで15分、売上の弱点が見つかる」
数字は具体性の塊。「いろいろな方法」より「4つの型」、「すぐできる」より「15分」。読む前から中身の輪郭が見えるので、安心してクリックできます。
型③:疑問文で聞く
「そのポイントカード、逆効果かも?」 「1割引きの本当の値段、知ってますか?」
疑問文は、頭の中に答えの空白を作ります。人は空白があると埋めたくなる——だから読み進めてしまう。常識を疑う逆張りの問いなら、なお強いです。
型④:ビフォーアフターを見せる
「廃業寸前だった日本料理店が、リピート客5割増になるまで」 「手書き伝票の山が、スマホで撮るだけに変わった」
変化そのものが物語です。悩みの「前」と、解決した「後」。自分の未来を重ねられる見出しは、読まずにいられません。
なぜ「説明」より「問いかけ」のほうが人を動かすのか?
型③で「疑問文は強い」と書きましたが、これ、ちょっとどころじゃなく強いんです。理由を掘っておきます。
以前、品川駅にこんな広告が掲出されました。
「今日の仕事は、楽しみですか。」
これがSNSで大炎上して、すぐに撤去されました。「朝から見るのがしんどい」という声、めちゃくちゃ分かります。でも——マーケティングの技術として見ると、これは異様に強いんです。
なぜか。人は「説明」には反応しませんが、「問い」を投げられると、無意識に答えを考えてしまう生き物だからです。
「楽しみです」と答える人も、「楽しくない…」と沈む人も、「なんだこの広告は」とムッとする人も、全員が一度、足を止めて自分の中を覗いている。これが見出しの仕事のすべてでしたよね。指と目を止めること。その一点において、あの一行は完璧に仕事をしていました。
ここで**「炎上させろ」という話をしているのではありません**。学ぶべきはそこじゃない。学ぶべきは、問いは相手の頭の中で勝手に再生されるという一点です。
「説明の見出し」を「問いの見出し」に変えてみる
自分の商売で置き換えると、こうなります。
| 説明の見出し(スルーされる) | 問いの見出し(足が止まる) |
|---|---|
| 業務効率化ツールを導入しませんか | その請求書づくり、来年もやりますか? |
| 当店のパンは国産小麦100%です | 今朝のパン、何でできてるか知ってますか? |
| 定期点検の重要性について | 前回、点検したのはいつでしたか? |
左は、こちらが言いたいこと。右は、相手が自分に問い返すこと。文字数はほとんど変わらないのに、脳の中で起きていることがまるで違います。
良い問いには、3つの条件がある
炎上した例を反面教師にするなら、問いは「詰問」になった瞬間に嫌われます。だから条件を3つ置いておきます。
- 相手がすでに薄々気づいている痛みを突く(知らないことを聞かれても答えられない)
- 答えが「自分の話」になる(「日本の景気はどうですか?」では他人事)
- 責めない。並んで一緒に覗き込む温度で聞く(「まだやってないんですか?」はアウト)
3番が一番大事です。同じ問いでも、「なぜできていないんですか?」は敵で、「これ、地味にしんどくないですか?」は味方。小さな会社は後者でいきましょう。そのほうが、あなたらしいはずです。
そして、問いの立て方は言葉の枠組み(フレーム)でも変わります。同じ手術を「成功率90%」と説明されるか「失敗率10%」と説明されるかで、患者さんの決断は変わってしまう。論理的にはまったく同じ内容なのに、です。見出しも同じで、「損を避ける問い」より「希望が見える問い」のほうが、多くの場合ちゃんと届きます。(この“伝え方で判断が変わる”仕組みはなぜ商品は「正論」だけでは売れないのかで深掘りしています。)
一番大事なコツ:見出しに「本文の結論」を書いてしまう
もったいぶって「続きは中で…」とやるのは、プロでも失敗する罠です。逆です。一番おいしい情報を、見出しで先に言ってしまう。
「読む理由」を見出しで渡しきったとき、はじめて本文が読まれます。出し惜しみは、読まれない原稿の第一歩です。
今日やること
いま手元にあるチラシ・LINE・ホームページの見出しをひとつ選んで、**「これは誰の、どんな悩みから始まっているか?」**と自問してください。
自分の話から始まっていたら、上の4つの型のどれかで書き直してみる。それだけで、同じ本文・同じ商品のまま、反応は変わります。タダでできる改善の中で、見出しの書き直しは最強です。応援しています!
よくある質問
チラシやLINEの反応が悪いのは、何が原因ですか?
多くの場合、本文ではなく“見出し”です。お客さんは見出しを0.5秒見て読むかどうかを決めるので、見出しが「自分に関係ある」と思わせられないと、本文がどれだけ良くても読まれません。まず見出しだけを見直すのが、いちばん費用対効果の高い改善です。
反応が取れる見出しには、どんな型がありますか?
代表的なのは①相手を名指しする(〇〇でお悩みの方へ)②数字を入れる(3つの方法・15分で)③疑問文にする(まだ〇〇していませんか?)④ビフォーアフターを見せる、の4つです。共通するのは「商品の説明」ではなく「読む人の悩みや得」から始めることです。
見出しの効果は、どうやって確かめればいいですか?
同じ内容で見出しだけ変えた2パターンを、時期や配布先を分けて試すのが基本です。LINEなら配信を2回に分ける、チラシなら配布エリアを分ける。反応(問い合わせ・来店・クリック)を数えれば、どちらの見出しが強いか数字で分かります。
なぜ説明の見出しより、問いかけの見出しのほうが反応が取れるのですか?
人は説明を読み飛ばせますが、問いを投げられると無意識に答えを考えてしまうからです。かつて品川駅に掲出された「今日の仕事は、楽しみですか。」という広告は炎上して撤去されましたが、見た人全員の足を一度止めた点では見出しの役割を果たしていました。ただし問いは詰問になると嫌われます。①相手が薄々気づいている痛みを突く②答えが自分の話になる③責めずに並んで一緒に覗き込む温度で聞く、の3条件を守ってください。「なぜできていないんですか?」ではなく「これ、地味にしんどくないですか?」です。
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