お客さんの行動をうながす秘訣
突然ですが、
人は目標に近づけば近づくほど、そこへたどりつくためにより多くの努力をするようになる。
って、どういうことか分かりますか?
このような実験結果があるんです。
コーヒーを1杯飲むたびにスタンプが1個押されるカードがあります。
そのカードにスタンプが10個たまると無料でコーヒーが1杯もらえるしくみですね。
実験では、2つのカードが用意されました。
1つはスタンプが10か所押せるカードで、まだ1つもスタンプは押されていないもの。
もう1つはスタンプが12か所押せるカードで、すでにスタンプが2個押されているもの。
無料でコーヒーをもらうためには、どちらのカードでも10個のスタンプが必要ですよね。
にもかかわらず、はじめからスタンプが2個押されていたカードを使ったほうが、コーヒーを飲む回数が多くなる結果になったんですね。
これは、あたかも目標に向かって前進しているかのように思えることで、目標へたどりつくための努力を進んでするようになった、と言えませんか。
人が目標を達成したいと考えるとき、どれだけ到達したかというようなとらえ方をしますよね。
だとすると、お客さま特典をオファーするとき、すでに目標の一部が達成された状況をお客さまに提供してあげれば、お客さまは自ら進んでその特典をもらうように努力してくれるってことですね。
なぜ人は「並んでいる店」に、つい並んでしまうのか?
もうひとつ、お客さまの行動をうながす強力なスイッチがあります。**「他の人が、もう選んでいる」**と見せることです。
先日、こんなことがありました。札幌で、評判のお店に行列ができていたので並んでみたんです。で、実際に食べてみたら……正直、僕には「普通」だったんですね。
そのとき、自分でも驚いたんですが、頭に浮かんだのが**「これだけ人が並んでるのに普通に感じるのは、自分の舌が未熟だからか?」**という考えだったんです(笑)。
おかしいでしょう。自分の舌より、行列のほうを信じているんですから。これがバンドワゴン効果——行列やクチコミ、SNSでの人気といった他人の評価を基準に判断してしまう心理です。それくらい強力なんですよ。
だから、スタンプカードと同じ発想が使えます。お客さまにゼロから判断させない。
- 「今月〇人の方にご利用いただきました」
- 「このコースを選ぶ方が一番多いです」
- お客さまの声を、入口に貼っておく
「みんなが選んでいる」という情報は、スタンプ2個と同じで、最初からちょっと進んだ状態をお客さまに渡してあげる行為なんです。
ただし、ここは正直に言っておきます。行列を「作る」のは心理学ですが、行列を「維持」するのは中身の誠実さです。仕掛けで来てもらったあとに満足がなければ、二度目はありません。仕掛けは入口、勝負は中身。ここだけは、はき違えないでいきましょう。
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よくある質問
お客さんの行動をうながす原理とは何ですか?
人は目標に近づけば近づくほど、そこへたどりつくためにより多くの努力をするようになる、という性質です。人が目標を達成したいと考えるとき、あとどれだけ残っているかよりも、どれだけ到達したかというとらえ方をするためです。
スタンプカードの実験では何が分かったのですか?
コーヒー1杯ごとに1個スタンプが押され、10個たまると1杯無料になるカードで、2種類が用意されました。1つは10か所でスタンプゼロ、もう1つは12か所ですでに2個押されたもの。無料までに必要なスタンプはどちらも10個で同じですが、はじめから2個押されていたカードのほうが、コーヒーを飲む回数が多くなりました。
小さな会社が明日から実践するには、どうすればいいですか?
お客さま特典をオファーするとき、すでに目標の一部が達成された状況をお客さまに提供してあげることです。スタート地点をゼロにせず、最初から少し進んだ状態にしておく。それだけで、お客さまは自ら進んでその特典をもらうように努力してくれます。
スタンプカード以外に、お客さまの行動をうながす仕掛けはありますか?
「他の人がすでに選んでいる」と見せることです。行列やクチコミ、人気の表示を基準に判断してしまう心理をバンドワゴン効果といいます。実績や利用者の声を見せるだけで、迷っている人の背中を押せます。ただし行列を作るのは心理学でも、行列を維持するのは中身の誠実さです。呼び込んだあとに満足してもらえなければ、その仕掛けは一度きりで終わります。
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